2004年の作品

【夜の横顔】


2004年 パネル 900×3000 油彩 (部分)

◆夜の横顔◆
 「仕事を終えて帰宅する途中の人々の横顔を描きました。仕事を終えたばかりのJR中央線の乗客は、仕事に疲れた殺伐とした表情や態度をしていますが、だんだんとベッドタウンにある自宅に近づくにつれて、大きな組織から解放され、一個人の自分の時間として物事を考えるようになり、さらに電車がくだり、自宅の最寄り駅に近づくと、「パパ、お父さん」といった家庭的でやさしい表情に変化していく瞬間を描いてみました。」(由貴記)

◇解説◇
 竹原は、電車とバスを乗り継いで金杉クリニックのある大泉学園まで通います。考えれば、ずいぶん長い道のりですが、竹原にとっては、このバス・電車に乗る時間は、かけがえのない取材の時間でもありました。 2003年の秋から2004年にかけて、「夜の横顔」の制作が行われました。この作品はジャケット版で、40枚以上あります。これまで全部を展示することはできていません。(玲子記)

◆【車中で「人生ってこんなんでいいのかな?」と考える女性 Ⅰ・Ⅱ】◆
 私は毎日JR中央線に乗っています。こんな人をよく見かけます。人の心はよくわかりませんが、なんとなく想像してみました。考えても、考えても、答えが出ない、大人になっても自分の生き方を見つけられず、ただただ時間だけが過ぎてゆく、そんな不安と焦りを孕みつつ、『まっ、いいか』としか、落としどころのない状況です。
 『何でもインスタント、何でもあり』こんな大衆相手に、どれが本当の自分の気持ちなのかわからない、自分の気持ちなんて無いのかも、もっと純粋な気持ちで生きたい・・・。」(由貴記)

◇解説◇
 自分自身の生きづらさを、自分だけの問題としてではなく、現代社会が内包する問題として捉えようと、変化してきていることが伝わってきます。(玲子記)

【車中で「人生ってこんなんでいいのかな?」と考える女性 Ⅰ】


2004年 パネル 900×900 油彩

【車中で「人生ってこんなんでいいのかな?」と考える女性 Ⅱ】


2004年 パネル 900×900 油彩