2006年の作品

【コウノトリ】


2006年 パネル 300×300 岩絵の具 

【凍りついた夏】



2006年 パネル 1200×900 油彩

◆コウノトリ◆
 自宅で油絵を描くことには、懲り懲りしていました。岩絵の具には、学生時代から関心を持っていました。膠を溶かして岩絵の具を塗るのですが、油絵の具は、気に入らないところは、何度塗りなおしても、大丈夫です。むしろ、塗り重ねれば、重ねるほど、味が出てくるのですが、岩絵の具は、重ねるとポロポロ剥がれ落ちてくるので苦労しました。(由貴記)

◇解説◇

 竹原は、岩絵の具を使っていても、描き方は、油絵そのものです。これからも、色々な画材(人が画材とは思わないものも含めて)を使って、こういう実験的な作品が生まれてくることを楽しみにしています。(玲子記)

◆凍りついた夏◆
 この作品はほとんど家で描いたので、油絵の具が使えず、あまり得意ではないアクリル絵の具で制作しました。
はじめは、雲があって、海があって、島があってビーチがあってマングローブが生い茂っている風景画でした。一晩のうちに、昼から夜になりました。次に、海と島が消え、人物が登場しました。あれだけ時間をかけて描き込んだ植物さえも姿を消し、砂丘か砂漠に人がぽつんと取り残されたような淋しく、厳しい印象の絵になりました (由貴記)

◇解説◇
 一筆描くごとに「どう思う?」と聞かれるのには、いささか閉口しました。でも、絵描きは、一筆描くごとに、「これでどうだろう。」と自問自答していることがわかりました。絵を描く仕事の真剣さを、改めて思い知らされました。(玲子記)